こんにちは。タクヤンです。
今回お話しするのは
WiMAXの位置づけと周波数
です。
ここではWiMAX初期の段階のお話を中心にするので今のWiMAXとは違う点もあるとは思いますが雑学程度に捉えてみてください。
WiMAXと様々なネットワーク
そもそもWiMAX以外にネットワーク技術というものはどういったものがあるのか?
このネットワークは通信距離の観点から見ると主に4つに分かれています。
- 無線PAN
- 無線LAN
- 無線MAN
- 無線WAN
これらは上から順番に略称です。
- Personal Area Network
- Local Area Network
- Metropolitan Area Network
- Wide Area Network
とそれぞれ特徴があるので見ていきましょう。
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WiMAXの位置づけ: 無線PANの特徴
無線PANは「短距離通信網」とも呼ばれており、通信距離は約10m程度の身の回りの通信を行うネットワークです。
有名なものでは「Bluetooth」や「UBW」などです。
無線PANの特徴
- 短距離通信網
- 通信距離は約10m程度
- 有名どころは「Bluetooth」など
WiMAXの位置づけ: 無線LANの特徴
無線LANは「構内通信網」と呼ばれ、「IEEE802.11 WG(ワーキンググループ)」が標準化しています。
この802.11が規定した規格を元に作られている無線LANの通信距離は約100m程度。
また、無線LANはWi-Fiとも呼ばれており,学校や病院、ホテルやカフェなどでも無線LANスポットとして利用されています。
この無線LANには「802.11 a/g/n/」といった様々な規格が作られており、通信速度も上がっていってることも分かる。
無線LANの特徴
- 構内通信網
- 通信距離は約100m程度
- WiFiなどがここに当てはまる
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WiMAXの位置づけ: 無線MANの特徴
無線MANは「都市域通信網」と呼ばれ、「IEEE802.16 WG」が標準化しています。
WiMAXはちょうどこの「IEEE802.16」が規定した規格に準しており、通信距離は約2~10㎞程度です。
WiMAXは3Gと4Gの間に生まれたもので,3Gと一部競合する部分があります。
ですがWiMAXの目的は「携帯電話のネットワークの置き換え」ではなく、あくまでも補完的なネットワークと感じれます。
事実WiMAXは設備投資が少なく経済的なので新規事業参入や有線インフラが整備されていない地域へのブロードバンドの通信インフラとして期待されていました。
無線MANの特徴
- 都市域通信網
- 通信距離は約2~10km程度
- WiMAXはこのネットワークに分類される
WiMAXの位置づけ: 無線WANの特徴
無線WANは「広域通信網」と呼ばれており携帯のネットワークはこの部分に位置します。
携帯電話を使えば沖縄から東京や東京から北海道などの広範囲で通信が出来ますね?
こういったのは移動通信事業者が全国規模でネットワーク網を構築してくれているので可能になっています。
無線WANの特徴
- 広域通信網
- 通信距離は全国規模
- 3G回線や4G回線はこの部分
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通信における周波数帯とその決定
ではここでWiMAXと周波数帯の歴史をちょっとだけ見てみましょう。
WiMAXフォーラムはいろいろな規格を策定しました。
ですがそういったサービスをいざ提供しようとなると「周波数帯」が重要になってきます。
3G回線では「800MHz」や「2.1GHz」などの周波数帯すでに割り当てられていて使えません。
しかもこの使いたい周波数帯は勝手には決めれず、国際組織のITU-Rなどと共に世界で使えるように周波数帯を決定しないといけません。
- 通信機器の互換性
- サービスの混乱を防ぐ
などが主な理由だからです。
Aの国では1GHzの周波数帯を使う!!
Bの国では5GHzを使う!!
勝手なことをされては世界中でネットワーク通信の混乱が生まれる可能性があるからですね。
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WiMAXが狙っていた周波数帯は?
WiMAXフォーラムは当初いくつかの周波数帯を狙っていました。
その周波数も「免許制の周波数帯(ライセンス・バンド)」と「免許不要の周波数帯(アンライセンス・バンド)」の2つに分かれています。
- 2.5GHz帯(2.3~2.4と2.5~2.69GHzまで)
- 3.5GHz帯
- 5.8GHz帯
- 3.3GHz帯
- 4GHz帯
- 5GHz帯
- 700MHz帯
と主に7つの周波数帯(正確には8つ)を狙っていたわけですが、4~7は将来的な目標でした。
つまりWiMAXは当初は上の3つの周波数帯のどれかをターゲットにしていました。
ではその結果今現在はどうなったのか?4GやLTEなども踏まえてみていきましょう。
「3G」の対応周波数帯
元々「3G」の対応周波数帯は
3Gの対応周波数
- 800MHz帯
- 2.1GHz帯
この2つが3Gの周波数帯として割り当てられました。
「LTE」&「WiMAX」の対応周波数帯
そして「3G」の後継として生まれた通信規格「LTE」と「WiMAX」。
これはそれぞれ以下のように周波数帯が割り当てられました。
LTEの対応周波数
- 700MHz
- 800MHz
- 1.5GHz
- 1.7GHz
- 2.1GHz
と3Gに新たに3つの周波数帯を割り当てられました。
それに対してWiMAXは
WiMAXの対応周波数帯
- 2.4GHz帯
が割り当てられました。
これで当初目的としていた2.5GHz帯の周波数帯を達成することが出来ました。
「4G」&「WiMAX2+」の対応周波数帯
その後さらに「LTE」の後継として「4G」が生まれ、この4Gに割り当てられた周波数は
4Gの対応周波数
- 700MHz
- 800MHz
- 1.5GHz
- 1.7GHz
- 2.1GHz
- 3.5GHz
と新たに3.5GHz帯が割り当てられ、LTEは実質4Gともいわれています。
そして、WiMAXの後継とし「WiMAX2+」も誕生し、割り当てられた周波数帯は
WiMAX2+の対応周波数
- 2.4GHz帯
- 5GHz帯
と新たに5GHz帯を追加して将来的に目標としていた周波数帯の獲得も達成することが出来ました。
さらに、2020年にはWiMAXに割り当てられていた利用可能周波数帯域50MHz分を全てWiMAX2+に移行させるので旧サービスのWiMAXは無くなってしまいます。
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まとめ
さて、今回はWiMAXのネットワークとしての位置づけと元々狙っていた周波数帯にかんするお話をしました。
今でこそWiMAX2が誕生しましたが、今後はもっとすごいのが出るのかなと期待しています。
ということで今回のまとめ
- 通信距離によって主に4つのネットワーク名がある
- WiMAXは「無線MAN」に位置する
- WiMAXは元々複数の周波数帯を狙っていた
- WiMAX: 2.4GHz
- WiMAX2+: 2.4GHz,5GHz
となります。